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サンパウロより愛をこめて

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サンパウロの暮らしぶりを届けます

海辺の街サントスで日系人に心を寄せる

 サントスはサンパウロから南方60キロに位置する、ポルトガルの植民地時代から港湾都市として栄えてきた街です。


 サンパウロからだと、車で1時間半ほどで着きます。そろそろ残暑。残り少ない夏を惜しむかのように、ビーチには波で戯れたり、日光浴を楽しんだりする人でいっぱいでした。


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 私たち夫婦は、水着も持って来なかったので、ビーチをぶらっとした後は、その近くの丘までケーブルカーで上がってみることにしました。


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 ここからの風景は、まるでホノルルのよう。

 そこでは、パラグライダーを楽しむ人々の姿が。なかなか風をうまく捕えるのが難しいようです。何度も挑戦する方もいらっしゃいました。

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 このサントスの港には、ドイツの倉庫に置かれっぱなしの私たちの船便も、いずれ着くことになります。このまままっすぐ行くと、ヨーロッパに行けるの??と思わず夫に聞く私。

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 いえ、まっすぐ行くと(行けるかどうかはわかりませんが)、どうもアフリカ大陸らしいです。残念・・・


 そしてこのサントス、かつては日本からの正式移民が到着しているところでもあります。最初が1908年ですので、今から100年以上も前の話です。

 
 先日お会いした日系1世の方は、福島のご出身でしたが、横浜から神戸、沖縄を経て西回りでサントスに到着したとおっしゃっていました。56日掛かったそうです。

 
 当初はコーヒー農園での仕事を目指して来られた方々。その多くが、色々あって、結局はコーヒー農園を出て、自作農へと転換をされたと聞いています。


 現在ブラジルで栽培されている農産物の多くは、日系人が品種改良などを通じて栽培に成功したものだそうです。


 ドイツではあんなに高価だったゴボウや、見かけることのなかったお野菜(みょうが)なども、この方々のお力が無ければ、今、私たちがブラジルで口にすることはなかったでしょう。

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 お会いした数少ない日系1世の方は、どの方もとても温かく優しくて、ご自分の苦労を語るようなことはされません(それほど長くお付き合いもしていませんが)。むしろ、私たち若い世代が、遠く離れた日本からブラジルにやってきて、仕事をしていることを誇りに思ってくださっている感もあります。


 この方々の苦労に思いを寄せると、私が置かれている状況、例えば、住むところや車を与えられている、会社に守られている、ネットでいつでも情報が得られる、いざとなったら日本にいつでも帰られる・・・などなど、当たり前に思っていることが実はとても恵まれているということ。そして、それにも拘わらず、不平不満を言っている私がいかに甘えているのかを目の当たりにして、とても恥ずかしく思うのでした。 

by saopaulo0321 | 2017-04-24 10:17 | 日々の生活

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